01 眉毛





「……ん、」

お昼真っ只中。
ちょうど太陽が真上を越えた午後1時30分くらい。
みんなが俺の作った昼食を食べて美味しいと笑
ってくれて俺も幸せになって。
食べ終えたみんなが各自それぞれのやることに
出ていきラウンジに残るのがこのまりもんだけに
なって。

「お前、それ好きだな」
「あ?」
「俺のでこに、キスすんの」

こいつはよく生活のなかで俺のでこにキスする。
起きたとき、食べたあと、鍛練したあと、休憩のと
き、寝るとき、とにかくよくキスしてくる
俺がこいつに俺に触れるのは二人きりの時だけ
にしろっていったからそこは守ってくれてる
何せこいつは約束フェチだから

「あー…まぁ、な」
「でこすきなの?」
「いや、あー…違う、まぁ好きだ」
「意味わかんね」
「でこがすきででこにキスしてる訳じゃねえ、けどて
めえなら全部好きだ」
「あー………」

で、よくこいつはこんな感じに恥ずかしいことを言っ
てくれちゃったりする。
俺の全部が好きなんだって、こいつ
未来の大剣豪が、さ。

「どうした」
「いや、別に。つかじゃあなんででこなの?」
「………まゆ?」
「は」

まゆってなに、あ、眉毛?
なにこいつこのムードから喧嘩したいのか
思わずムカついて目の前の頬を両方に引っ張って
やる

「はひひははる」
「黙れでこっぱち」

パチン
少々もがくもんだから離してやる

「何しやがる」
「眉ってなんだ、眉って」
「いや、だから」
「ぐる眉がなんだー」

するといきなり両手で俺の頭を挟みやがった
ちょっとムカつくため暴れてやる、
すると右手の親指で長くのびてる前髪をどかして
でこにキスしてきた
あ、これいつもの形。
そういやこいつ必ずでこにキスするとき前髪どかす
よなー。

いつもは髪の隙間からしか世界を覗かない左目も
ゾロをとらえる。
あぁ、まりもんだ。

「俺がな、こうやってでこにキスすんのはてめえに両目
で俺を見させるためだ」
「あー…はい」
「あとな、」

すると親指でまとめてた前髪を他の指に移して親指で左
目の眉を触ってきた
眉だけを触られるってね、意外に擽ったい

「この内側に巻いたこれ、俺以外見たことないだろ」
「え?あ、んー…よくわかんね、でもそうかも」

つか物心ついたときからこの髪型だしなぁ
ジジイはこの眉見たことあるっけ?

「だから」
「え?」
「俺しか見ないってもの見ながらてめえにキスすんの、なん
か良い」

そう言ってまたキスされて、優しく笑われた。
こいつ、分かってるのかな。
この顔、俺にしかしないって思ってて嬉しいなって思ってること

「ばーーーか」
「はあ?」
「あーお前ずるい」
「は?」

もういいや。
この顔は俺のもの。
だから、これ、お前のものにしてやるよ

「―――まゆ。」
「はは。」




んなもんで新世界に入るとき分け目変えたらちょっとすねられた。





END

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