11th Nov
「おめでとーゾロ!!」
朝いつもはあのクソコックに蹴り起こされるのだが
今日は違った
この船の心優しい小動物にゆさゆさと起こされ
自分でも珍しくすぐ目を覚まし
目を開いたらすぐあの言葉を投げ掛けられた
「……は?」
「今日は11月11日だぞ、ゾロの誕生日だぞ!!」
あぁ、そういえばそうだっけ…?
一人で島を出てから
誕生日なんて意識したこともなく。
この船にとってクルーの誕生日と言うのは
なかなかのイベントで、
と、いうのも宴大好きな船長が
何かと理由をつけて宴を開きたいだけなのだが
「おう、ありがとな。チョッパー」
「うん!!今日の夜は宴やるってルフィーが言ってたぞ!!」
「おう」
だから今日は起こしに来たのがあのクソコックじゃないのか
ルフィーの宴の時の食べる量は尋常じゃないからな
「もうすぐで朝ごはんだからサンジが起こしてきてって!!」
「あぁ、今行く」
むくりと立ち上がりとてとてと前を歩く
チョッパーの後を着いていく
「あら、ゾロ起きたの?」
ラウンジに入ると金銭魔があらめずらしい、と
こちらを見ながら呟いた
ムカつくやつだぜ
「あぁ」
「ふーん、ま、いいや。お誕生日おめでと、」
「あら剣士さん、おめでとう」
「おめでとうゾロ!!」
「あー起きたのかー?ゾロー にししっ、おめでとっ!!」
クルーが次々に声をかけてくる
なかなか誕生日ってゆーのもいいもんだな
「はーいご飯出来ましたよ〜っ、 ナミさんロビンちゃん、食べてね〜」
キッチンから金色頭の
生け簀かないコックが両手に料理をもって出てきた
「あ?マリモ起きたのか、早いな」
こちらをちらりと見ればすぐさま毒をはく
俺が誕生日と言うのを知らないはずはないんだが
おめでとうの言葉もないのか
「ゾロールフィーに食べられちまうぞ」
ウソップに声をかけられは、とダイニングを見る
コックが料理を出したのはほんのちょっと前だと言うのに
もう結構減っている
「あぁ、」
本当にこいつの胃袋はどうなってやがるんだ。
席についていただきますをして料理を頂く
結局こいつは最後まで何も言わなかった
いつも通りみんなに給仕をしていつも通りに皆と笑ったりして。
本当にいつも通りなのだが
やっぱり気にくわない
自分の誕生日なのに
「ねぇゾロ」
「あぁ?」
「なんでそんなに恐い顔してサンジくん睨んでんのよ」
「あ?睨んでねぇよ」
「あのねぇ…もう、サンジくんはあんたの為に昨日からパーティーの準備してくれるのよ。今日くらい喧嘩しないでね」
「んなこと分かってる」
「ハイハイ、どうでも良いから揉め事は起こさないでよねー」
隣では考古学者がクスクスと笑っている
一体なんなんだ
「うわっマリモの分際で何ナミさんやロビンちゃんとお話しなさってんだ!!」
「うっせぇ黙ってろ!!ぐる眉コック」
「んだとくそマリモ…」
「あぁ?やる
「サンジくーん、おかわりもらって良い?」
「はいはーいっ、了解しましたぁー」
俺の言葉を遮ってナミが言えば
コックはあっさりとキッチンに戻った
「ったく…言って早々こうなんだから」
呆れた顔でナミに見られたが
それは無視して食べ進めた
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「宴だーっ!!」
その日の夜、ルフィーの思惑通りに
ゾロの誕生日パーティーは開かれた
今回は次の島までも時間はかかるし
船上で終わらせるらしい
「あーそれ俺の!」
「はへふほはほほひほひへはひふはっ」
「何て言ってるかわかんねぇよっ」
「おいルフィー!!ったくお前はいつになったら礼儀正しく食べられるんだっ」
「はほひっ…だってサンジの飯うめぇんだもん」
「そりゃー当たり前だろ、海の一流コックだしな」
「そうだな!!」
その後結構夜遅くまで宴は開かれていて
女性陣は早々と部屋に戻り
子供トリオは潰れ俺とコックで部屋に運んだ
「んにしてもみんなよく食うなー、おめえも食ったか?」
「おう、」
「もう腹一杯か?」
「まぁまぁ、な。」
今日は誕生日だからか酒を渡された
片付けをするコックを見ながら酒を飲む
そういや最近こういうのが多くなった
夜、みんなが寝静まったあと
ラウンジで二人きりの時はなぜか
喧嘩も何もなく普通に会話が成立している
「……おい」
「あ?なんだ」
「何俺のこと見てんだよ、なんか用か?」
「いや、別に、」
「あ、そ。よし」
そういうとコックは何かキッチンから持ってきた
それを俺の前に置く
「あ、これ」
「お前がいつか言ってたお前の郷土料理」
どれくらい前だろうか
こんな感じに夜俺が酒を飲んでこいつが洗い物をしていたとき
ちょっとぽろっと口にしたのを覚えていたのだろうか
「いつか食べさせてやりたいな、って思ったから調べた」
「どうやって」
「今まで上陸した島とか手本探したりしてかな?」
「え、わざわざ」
「まぁ寝ぐされマリモでもな一応食べたいもん食べさせてやりたいんだよ。
その味噌汁ってやつ?
味噌とか自分で作るしかなかったからお前にしかやれなかったけど」
「……おう」
「んじゃ食え。まだはいんだろ?」
「あぁ、じゃあ頂く」
俺が食い始めたのを見るとコックはキッチンに歩き出した
そこでふ、と足を止めこちらを向く
「あ、そういや」
「ん?」
自分も箸を止めコックを見る
「お誕生日、おめでと。ゾロ」
そういうといつもは見せない和やかな笑みを見せ
全部食べろよ、というとキッチンに戻っていった
「……………」
思わず固まってしまった
なんなんだ、これ
そのままゾロははて、と思いながら
食べ進めた
ゾロが自分の気持ちに気づくのは
またまだ先のようです、
END
こんばんわ
ゾロ誕1作目です!!
今日はこれだけで終わらせていただいて
明日ちゃんとページを作りたいと思いますww
えっとー・・・これはー・・・
くっついてないゾロサンってことで。
ロビンちゃんはゾロの自分で気づいていない気持ちに気づいているっていうww
まぁ人生の経験が豊富ですからねww
なんだかんだで朝起こしたのがチョッパーっていうのにも
むすーっとしてる気分で描いたんですけど・・・
まぁこれは・・・気づきませんよねぇ←
とにかくゾロ誕おめでとです!!
20111111 景夜.
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