7 驚き
「ちょ、ちょ…!!!」
普通に部屋で編み物やってたらいきなりゾロが入ってきた
いや、いきなりというかドア越しには声はしてたけどさ
「ど、どどどどどうしたんだよ!!」
あわててベットの中に突っ込む、
まぁそれでもゾロには見えてただろうけど
「……なにやってんだよ、こそこそしやがって」
「してねぇよ」
「してただろうが」
「なんか隠しただろ」
「隠してねぇ!!つかてめぇなんでいきなり入ってきてんだよ」
今までなんだかんだでお互い部屋には入らなかったのに
しかもなんかぞろが明らか”不機嫌です”って感じで対応にも困る
「別にいいだろうが」
「入るぞってくらい言えよ!!びっくりすんだろうが」
そういうとゾロは何も言わずにベットの布団をはがした
勿論、隠してたものが見えるわけで
「……なんだこれ」
「………」
「あ、編み物か、いつかやってたな」
「おう」
あぁ、もう。
明日渡すつもりだったのに。
完成した直後に入ってきちゃうなんてずるすぎる
「……なんでだ?」
「…は?」
「なんで今更作ってんだよ、なんかあったのか?」
「え…」
ゾロは普通の顔でこちらを見てる。
これは鈍感、なのか
それとも……
俺からもらうなんて変だからそんな候補はこいつの頭の中にはないのか
確かに、
考えればこいつに彼女がまだいないなんて俺の想像だけで
そうなら俺からなんかもらったら有難迷惑だ
彼女からもらうかもしれないし何より彼女に疑われちゃうかもしれない
こいつ、地味にやさしいから捨てるなんてしないだろうし
「……おい、どうしたんだよ」
「……」
そう思ってしまえばなんかもうそれしか思えなくなってくる
もうおれたちは昔のように幼くはないんだ
だからこんなの変なんだ
俺がこいつに持ってる感情なんてどうしようもなくて
それを言わなくても
こんな感じにプレゼントをあげるのも変になっちゃうんだ
もっと、もっと
普通に祝うべきなんだろうな
「ごめん」
「は?」
「ごめ……っ…」
「お、お、おいっ!?」
「これ、もう、いい…いいんだ、お、お前には、関係…ねぇだろ」
「…なんで泣いてんだよ」
「泣いてねぇ…」
情けなくなって涙が止まらなくなる
ゾロのために、喜んでくれるかな、なんて思って作ってたあのころが
とてつもなく恨めしく思ってくる
馬鹿みたいだ
でも、こんな思いどうしようもできないし
もう離れるべきなのかな
ゾロもそろそろ彼女とかと住みたいとか思うだろうし
……この思いは墓場まで持ってこう
こんなのどっかの小説で読んだな
「おい、どうしたんだよ」
「……」
「おいっ」
「…もういい」
「は?」
「俺、好きなんだよ」
「は、」
「普通にさ、あげようと思ったんだよ、お、お前、誕生日だろ?
だから、……でもさ、もう迷惑だろ?
お前だって、彼女とかさ、もう、俺もつらいし」
「…」
あ、言っちまった
なんて思ったころには遅かった
数秒前に一生言わないって決めたのに
一回言っちゃうと次々に言葉が出てくる
「お、おれ、本当に、好きだったんだよ!!
……も、もういいだろ?こんなん作って馬鹿だろ?
もういいかっ…」
言ってる途中で
ゾロのぬくもりと匂いがした。
あ、抱かれてる
なんて思ってふり払わないといけないのに
そんなのできなかった
「黙れ、もう。つか泣くな」
「……なんだよ、てめぇっ……」
「お前が何考えてんのかしらねぇが」
「離せよ……っ」
「俺は、お前が」
好きだ。
それは本当に
本当に驚きだった。
続く
……はい、
まぁ予想通りというか
通じ合ってわーい!!ですよねb
お題は「surprise」だったんですが
そうすると若干意味が変わっちゃうんで
少し変更して「驚き」にさせてもらいました
次回からは完全ハピエンロードです(笑)
では少々お付き合いください♪
20111127 景夜.
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