Gelosia
「……あー、でさ。聞いてんのか?」
「あぁ?」
「だーかーら、この島は海軍がよくパトロールに来てるから気をつけろっつってんだよ!」
「あ、そ。」
「てめぇ人の話真剣に聞きやがれ!ナミさんがそう言ってたんだぞ!」
今日の昼ごろメリー号はとある島についた。
ナミが調べたところによるとこの島は海軍の直轄地。
治安はすごぶる良いのだが
いかんせんお尋ね者の自分らにとっては決してよろしくない、
と、いうことで今回は最低限の外出として買い出しのため
サンジと荷物持ちとしてゾロが船を降りた。
「ようは目立つなってことだろ?ルフィーじゃねぇんだから、んなことしねぇよ」
「そもそもよー、マリモくん。その腰の3本の刀ですでに目立ってんですけどー」
「仕方ねぇだろうが」
「あーそうですか。」
「ったく・・・・・」
今は昼ごろとあって朝市が終わりかけているので
買い出しは明日から、ということになった。
「まぁ…外出は控えたいし宿に行くか」
「今回は宿なのか?」
「………お前本当にナミさんの話聞いてないんだな」
「あぁ?」
「船と陸の行き来は最低限って言ってただろうが」
「そうだっけ?」
「…はぁ、もういいから。黙ってついてこい」
しかし二人はもうすでに目立っていて。
海賊ってのはなしで女性からの視線が飛ぶ。
「おいコック」
「あ?」
「なんか地味に目立ってんぞ」
「仕方ねぇだろ。俺のような美し」
「あ、ここでよくね?」
「てめぇで話し終わらせんな!!」
「……」
「無視かっ、あ、あのショートカットのレディー可愛らしい」
「バカが」
「てめぇは本当に女の子に興味ねぇんだな」
「あっていいのかよ、逆に」
「…………馬鹿」
そのあといい感じの宿を見つけ
なんだかんだで2人部屋をとった。
もちろんシングル。
「えっとー…2階だってよ」
「おい、よかったのか?」
「何がだ」
部屋に向かいながらゾロはとても真剣な面持でサンジに話しかける
「部屋、あれだろ?シングル。」
「そりゃそーだ」
「なんでダブルじゃねーんだよ」
「は?馬鹿かてめぇ、ここはいたって普通の街だっつってんだろ?男2人でダブルなんておかしいだろうが」
「べつにいいじゃねーか」
「あーもうマリモは黙ってろ、ほらついた」
ついた部屋はやっぱり小奇麗で
仮にも治安も良ければ町も栄えるってか。
「おいゾロ、夕飯どうする?」
「あー……まぁ適当にどっかで喰うか?」
「あ、そ。」
ちょっと疲れた。といってサンジはベットに横になった。
「あー、おいコック」
「んー……?」
「酒買ってくる、金」
「あー、ん、ほら。節約しろよ」
「おう」
***
「…………あ、れ?」
起きたら夕方近くで
いつの間にか結構寝てしまったのだと気付く
「まだ帰ってなかったのかよ」
結構あれから時間がたっているのに
ゾロの姿がない
「あー、タバコかいてぇ。早く帰ってこねーかな」
口に出してみると結構さびしかったりする
なんとなくで窓を開けたら少し景色が一望できた。
2階だからそんなによくはないけど
「……あ、れ?」
ふと見えた緑頭。
よく目を凝らしてみるとやっぱりあいつだ。
そして見つけた。
隣にいるレディ。
「…………ぇ」
それは見間違いでもなくて
確かにあいつはゾロで隣にいるのは女の子
「あーあ、」
そうか。やっぱり。
なんとなく簡単にすんなり受け入れられた
自分は船の上だけの処理だけで
それだけで、それだけで。
本気になってたのは自分だけか。
いつの間にかあの二人は町の雑踏の中に消えていた
***
「おい、帰った」
「……」
「コック、まだ寝てんのか?」
「……」
「おい、起きろ」
本当は起きてるけど
今はゾロを見たくなかった
あれからもう結構時間がたっている
すっかり夜になっていて、
先ほどまでこいつはどこで何をしていたのか
……考えたくない
「おいっ、いい加減返事しやがれ」
「………」
「おい、コッ」
「うっせぇよ、黙れ」
出た声は自分でも驚くほど低くて
びっくりした、
「どうしたんだよ、なにがあ」
「早かったな」
「は?」
「朝まで帰ってこないかと思ってたぜ」
「は?意味わかんねぇよ」
「レディーと楽しくやってたんだろ?」
「……どういうことだ」
「楽しく街中歩いてたろーが。せめてそういうのは俺から見えない範囲でやってくれ」
「それは、」
「別に怒ってねぇよ、それより財布返せ。腹減ったしタバコ吸いたいし」
「おい」
「俺は出かけるから先ほどのレディーとでも楽しくどーぞ。」
「おいっ!!」
「まぁ俺もどっかで楽しくやるかなぁ」
「おいコックっ!!」
「あーでも疲れたし明日でいいや。今日は俺ここで寝たいし、ほかんとこでやってくれよ?あーじゃあ一応て
「サンジ!!」
いきなり呼ばれた名前に思わずすくむ
「………んだよ」
「だから、おれは何もしてねぇ」
「は?けっ、嘘つけ。じゃぁどこいってたんだよ」
「だからそれは―――っ」
「だから別にいいって。ノーマルなんだろ?てめぇは。せめて陸の上でなら」
「違ぇっつってんだろ!」
いきなり腕を引っ張られ
ベットに倒れる
「おい、聞け」
「んだよ」
「俺は別にあいつとなにもしてねぇ」
「あ、そ。じゃぁこれからか?」
「そうじゃねぇっ」
「んじゃなんなんだよ、うるせぇな」
「あいつはお前に会いたいって言ってたんだっ」
「は」
「だから、あいつはお前に会いたいって言ってて、そいつがショートカットで
街中でてめぇが言ってたやつに似てたからタイプなら会わせたくないって思って」
「………」
「だから連れてきてやるって言っておいてどっかの宿においてきた」
「………にしてはなげぇじゃねぇかよ」
「だから、これ、買ってた」
そういってぞろが指差したのは2,3袋のビニール袋
「なにこれ。」
「夕飯、ここらへんで旨いやつだって言ってた」
「その子に聞いたのか?」
「連れてきてやるからって、まぁ交換条件だ」
「………交換って…交換してねぇじゃねぇか」
「仕方ねぇだろ」
「でもなんで」
「なんかてめぇが疲れてそうだったし、たまには宿でゆっくりしようかと」
「はぁ……」
あぁなんかもう、すっごく、恥ずかしくなってきた
「おいサンジ」
「ごめん」
「おぅ」
「酷いこと、言った」
「そーだな」
「でも、ありがと」
なんか特別なものを買ってきたわけじゃなくて
普通の御飯だけど
さりげない優しさがなんかうれしい
「まぁいいや、てめぇはそいつに妬いてたんだろ?」
「………」
「俺はてめぇだって言ってんだろ」
「だってレディは可愛いし」
「は?」
「俺なんかかなう要素ねぇもん
「ばーか」
「ったー」
デコピンされた
「なにすんだっ」
「そんな変な顔してんじゃねーよ」
思わず頬が緩んだ。
END.
・・・・・・うっはー、やっと終わった。
これ打つのに小一時間かかりましたww
打って修正打って修正・・・ははは、
<
お互いがそれぞれ嫉妬したっていう
バカップル話。
題名はイタリア語で嫉妬です。
お粗末さまでした<(_ _)>
20111003 景夜.