区切り
「あーめんどくせーめんどくせー」
ぶつぶつつぶやきながらサンジは一人で夜道を歩いていたりする
秋もそろそろ良い頃で少し冷たい風が吹いてきている
夜になるとそれはちょっと寒いくらいだ。
なのに、なのに。
どれくらい歩いただろうか。
これじゃあ本当に迷子みたいだ。どこぞのマリモじゃあるまいし
昔から住んでいたところなのにこう開発が進むと分かったもんじゃない
昔住んでいたからって地図を持ってこなかった自分を少し悔やんだ
今日は中学校の同窓会。
あれからもう10年近く経っていて
サンジもレストランの洗い物係りから食事に少しかかわれるようになっていた
「うー、さみぃ」
あれから10年。
あいつはどうしているだろうか
小さいころから幼馴染でずっと一緒に育ってきて。
犬猿の中なんじゃないかと周りから言われるほど喧嘩ばかりしていたけど
実はいつの間にかああいう関係になっていて。
それに終止符を打ったのは自分だ。
自分たちはいつまでも子供じゃないし
こんな世間一般に認められるような関係を続けられるわけがない
料理の勉強するために上京、なんていって
あいつと距離を置くことを選んだ。
「………はぁ、」
別れるか、
そう卒業式の後ゾロにそう言って
あいつは1分ぐらい考えてそうだな、って言った。
後悔があるわけないじゃないか、
自分で考えて決めたことだし
…………そう言っときながらないわけないじゃないかと。
そんなこと気づいてる
現に今もゾロのことばかり考えている
どういう顔をしてあったらいいだろう。
もしかしたら引きずっているのは自分ばかりで
あいつはとっくに高校とかで彼女作っちゃったりして
幸せな人生送っているのかもしれない
「あー、さむいな」
この町に来るとどうしても思い出してしまう。
東京にいる間はまだそこまで考えることは少なかった
「………あ」
いつの間にかあの中学校の姿が見えた
これだけは変わっていない。
少しうれしくて笑みがこぼれる
あの頃の自分がいた証はまだあそこにあるだろうか。
”えーっと、大人になったら二人で一緒に住めますように……でいいか?”
”いいんじゃねぇのか?”
中2の七夕。
学校に乗り込んで屋上の隅っこに掘ったっけ。
まだ残っているんだろうな
………本当に未練たらたらだな、
だなんて自分で笑ってみる
あの頃の自分は全然成長していないようだぜ?ゾロ
「えっとー、」
確か集合場所は学校の裏のファミレスだっけ?
ちら、とはがきを見てみる
葉書に地図でも書いてくれりゃあいいのに。
学校の裏!!とだけ書いてあるのは
あいつらしいといっちゃああいつらしいな
よし、久しぶりのあいつを見て
”おぅ”なんて言って
それで、終わりにしよう
それがきっと一番いいから
寒い寒いなんて思っていたけど
一番寒いのは自分の心だなんて
今頃ちょっと気づいた
END
うわーお久しぶりです…
さぼりまくっていてすみません
今回はサンジくんの独白(?)でした。
いつもと文体も変えてみました
なんとなく、
あ、あんまり変わってません・・・・?((汗
中学生時代に区切りをつけようとしたサンジ君ですが
10年たって同窓会という機会で
ゾロのことを思い出しています
思い出す、というより
浮き彫りになったのでしょうか((ぇ
心の底で隠していただけなんですよねーきっと。
ゾロがどんな風かは
みなさんの創造にお任せします♪
では最後までありがとうございましたっ
20111025 景夜.