一粒


「島だー!!」


いつものごとく船長が叫びだし航海士がふん、と笑う


「んー、この島は治安は良さそうね、海軍の見張りも薄いし大丈夫そう」
「そう?よかった、思いきり買い出しできそうだな」


前の島から結構時間がたつしな、食料も危ないし。
ぶつぶつ呟きながらキッチンに戻り
買うものを確認しにいくサンジを横目でゾロは見ながらまた眠りに落ちた


「この島のログは一週間。結構長いけど次の船旅も長くなりそうだからゆっくりこの島で休んでいいわよ」
「「わぁぁぁぁぁい」」


ナミによるとこの島は景観がとてもよく観光地として栄えており
なかなか休暇にはもってこいな所だ。
今回は特に用のないウソップが船番を引き受けてくれた
恐らくゾロとサンジにそれなりに気を使ったのだろうが
気づいているのはサンジだけだ

一日目はいつもの通りに一日中食べ物の仕入れをしていた。
もちろんゾロも荷物持ちとしてついてきたが
それはもう無理矢理とかではなく
数少ない二人で外に出られる時間で習慣と化している。


「お前またたくさん買うな」


今まででも一日中買い物なんてなかなかなくて
そろそろ帰らないと両手が塞がってしまう、
なんて思いながらゾロは言った


「なんかここは一日中市が開かれているみたいに賑やかだし何より食べ物が新鮮でいいものばかりだし」


ゾロを振り返らずに辺りを見回しなら答えたサンジはいつも以上に顔を輝かせている

そんなサンジに少しつまらない、とむすっとするも
やっぱりそんなやつが可愛くて許してしまう
ゾロもそろそろ末期かと頭を悩ませている

そんなこんなで2日目

こんないいところ明日で出発してしまうなんて、
とションボリするサンジにゾロは観光を提案した


「……………」
「なんだよ、いやか?それともまだ買いたいものあるのか?」
「いや明日の朝船に届けてもらう分で十分すぎるくらいだ」
「じゃあどうしたんだよ」
「いや、さ。マリモと回って迷子になりそうで…まぁ俺がちゃんとすればいいんだけどはぐれたら面倒くさいし」
「俺がお前からはぐれるんけねぇだろ」


その瞬間顔を真っ赤にさせたサンジににかりと笑い頭をグシャグシャと撫でると
脇腹を蹴られたがそれも照れていると言うことで無視した

その後気の良い借りているホテルのおっさんにこの島の地図を借りて
色々めぐることになった


「この島って栄えているしきれいな自然もたくさんあるんだな、すげぇや」
「おぅ、」
「お前どっか行きたいところとかあるの?」
「お前が行きたいところで良い」
「いや、そんなのつまらないだろ」


そういって地図と観光マップを渡される
ゾロは見るもさっぱり興味がない
はっきり言ってサンジと一緒に回れればよかったのであって
本当にこの島を回りたいと思ったわけでもないから。


「………やっぱりどこでもいいや」
「そうか?まぁそんなにマリモが興味あるわけないもんな…あ、もしかしてつまんない?」
「いや、別にそういうわけではない」
「…ならいいけど」


そういって観光マップを見たサンジはあ、と小さく叫んでゾロに言った


「ここ行きてぇ!!」


***


そこは最後に行きたい、何て言うもんだからその後適当に回って夕方、そこについた。


「あ、ここだ。ここ」
「ん…?砂浜?」


そこはいたって普通の砂浜で時間が時間なのか二人以外には誰もいなかった


「ほら、裸足になって」
「あ?」
「いいからいいから。」


サンジに促されブーツを脱いだゾロはサンジの後ろを歩いてみた


キュ、キュ、



「うお?」
「な?すごいだろ?」
「なんだこれ」
「鳴き砂って言うんだとよ。なかなか無いらしいぜ綺麗な所でないと起こらないらしいしな」
「詳しいな」
「まぁ…な、砂浜に少し憧れあったし」
「あ?なんでだ」
「俺ってさ小さい頃から海の上で陸自体珍しくてよ。それに客船だったからたまに上陸しても観光なんて出来ないだろ?」
「お前小さい頃から忙しいやつだったんだな」
「はは、そんなでもねぇよ。でさ、船を止めるところなんて港だけだし砂浜なんて絶対行く機会ねぇじゃん?
 一回だけ料理長に我が儘言って行かせてもらったんだけど感動した」
「おぅ、」
「いつも見ている海もこういうところから見ると全然違うように見えるんだよな。」


そういってサンジはその場座った
ゾロもそのとなりに座って話を聞く


「………」
「………」
「……………あのよ、」
「あ?どうした?」
「ここにある砂全部がこの世界に毎日生きている人々だとするじゃん?」
「おぅ、」



「いくら世界中を旅する俺らだとしてもきっと出会う人々はこの両手に掬える分の砂くらいだと思うんだよ」



「それでお互いを知り合って記憶にとどめていられる人の数はきっと一握りの砂くらいで」



「もっと深い関係になれるのは人つまみの砂くらいで」



「その中でもさこうして好きになって、離れたくないって思うようになって………恋をできる相手がたった一粒のお前で…」





その瞬間腕をぐいっと引っ張ってキスをした
サンジはビックリしたらしく口をパクパクさせていたがそれも無視だ


「お前、本当にロマンチストだな。ラブコックなだけあるぜ」
「なんとなくそんな気分になるんだよ、悪いか」
「ほんとにそんな頭でよく考えるぜ」
「黙れエロマリモ。お前のキ…キ、スするタイミングも慣れすぎだ、アホ」
「慣れてねぇよ、ぐるぐる眉毛」


本当に、慣れてないんだからな
全部お前が初めてなんだ

さっき言ってた一粒が本当に
もうこれ以上できないようにしてやる





END 





お久しぶりです
さぼりまくっていてすみません・・・w



今日は事情により(ブログのなう参照←)
一作しかうpできませんでしたが
土曜に頑張りたいと思います!!



えっと、今回はポエムみたいなものでした。
ぱっ、と思いついたのがこんな感じで
ロマンチストのサンジくんなら言っても違和感ないんじゃないか、なんて考えて
ぐおぉーって一気に書いたんですww



なので文脈とかぼっろぼろなのは気にしないでください・・・はい((泣




でわまた。




20111110 景夜.
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