04 黒いスーツ
トントントントン…
キッチンのなかには軽やかな一定した包丁とま
な板の当たる音が響く。
いつものように料理をするコックとそれをみる俺
「……」
今コックはYシャツの上にエプロンを来ている。
いつも羽織ってる上のスーツは俺の腕の中、こ
こに俺がいると毎回預けられる
何枚かあるスーツを洗濯の順でローテーション
してるくらい普段着として着られているコックの
スーツからはコックの臭いが染み付いている
「おいゾロ」
「なんだ」
「人のスーツそんな嗅ぐな、犬みてえ」
「はっ」
こいつのスーツはなんと言うか本当にすごい
いつもからだがこれを着たコックはすごく綺麗
になる
こいつは北国出身と言ってたからかすごく色
白で肌が綺麗だ
こいつのスーツは必ず黒だから着るとその対
比と言うのかよく分からねえが襟元から見え
る肌の白さがすごく目立ってそそられる
「おいゾロ」
「……なんだ」
「顔変だぞ」
おっしゃ終わった。
そう言ってこいつが出てきたからスーツを渡
してやる
すぐに腕を通し前のボタンを閉め「よし」とで
も言うようにぱんと裾を引っ張るとコックは隣
に座ってきた
「つかさ、ゾロスーツフェチなのか」
「ちげぇ、てめえ」
「限定か」
「………そうだ」
「ふーん」
するとコックは15歳の誕生日のときにジジイ
から始めてスーツをもらったんだ、と話した
意外にセンス良いな、あのおっさん
END
ただ、それだけ(笑)
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