03 19歳
「……っと、これでいいかな」
時計を見ると11時30分、
いつものように夕飯の後片付けをしてコック
ノートに色々書き込んで見張り番に夜食をも
ってって明日の仕込みをして。
今日やることは全てやったはずだ
エプロンの後ろの紐をほどいてハンガーにか
けて風呂でも入ろうか、と思ったらドアが開いた
「おいコック」
「酒か、」
「………あぁ」
そうだった。
このまりもの夜の餌付けを忘れていた。
「つまみ作るから、座ってろ」
「おう」
こいつが夜飲むときは必ず俺から見える席で
飲む、いつもはチョッパーが座っているその席。
こいつ曰く料理してる俺をみるのが結構楽しい
らしい
こいつは意外に人と絡むって言うのがこういう
関係になってからわかった。
寝る、鍛練する以外は大体俺のところに来る。
最初の頃は喧嘩ばかりしてたやつと普通に過
ごしてるのに戸惑いが隠せなかったけど今と
なっては結構こちらも落ち着いたりしてる
「ん、出来たぞ」
「さんきゅ」
「つまみなくなったらコンロにおいてあるから、
取ってって良いからな」
「寝るのか」
「いやいやいや、風呂はいるよ」
「そこ座れ」
はい?会話成り立ってなくないですか?
風呂入るっつったのに、
でもなんかそうしないといけなさそうだからこ
いつのとなりに腰を下ろす。
あくまでも勘な、雰囲気がそんな感じだから
「どうしたんだよ、話か?」
「いや、飲め」
「…………あーはい」
またまたどうしたのだろうか
いつもは酒をがめるくせに。
「…つか二人で飲むならコップ必要だろ」
「なんでだ」
「あのなぁ、二人でらっぱ飲みするやつが何処
ににいるんだよ」
「照れんな」
「そーじゃねぇ!!」
仕方ないから取りに行って力強くこいつの前
においてやる。
結構ガンって音したけど大丈夫だろ。
「まぁ落ち着けって」
「今日どうしたんだよ、偉くご機嫌じゃねえか」
いつもはこのノリから喧嘩に発展するのに。
まぁ夜はやるとナミさんが怒るから別に良い
けど機嫌の良いこいつなんてむしろ怖い
「別に、まぁ飲めって」
「はいはい」
俺の前のコップに酒が注ぎ込まれる
さすが俺、色良いな、なんて思いながら飲んだ
瞬間首根っこをゾロにつかまれた
その瞬間キスをした
「…んっ、ちょ、」
「おめでとう」
「……は?」
「誕生日、おめでとう」
「……」
「19歳」
思わずカレンダーと時計を見ると成程今日は
3月2日でちょうど0時を回ったところだ
あぁこれで俺も19歳。
「お前と同じ19歳だな」
END
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